世の中に効くバラエティ番組
宗一郎は、テレビ・ラジオのバラエティ番組が好きでよく見ています。中学時代がそのピークで、毎日テレビにかじりついていました。
当時、特に好きだったのがボキャブラ天国。
キャブラーと呼ばれる若手人気芸人が、ショートネタで毎週競い合う場面を、毎週ハラハラしながら見ていました。
海砂利水魚(現くりーむしちゅー)、ネプチューン、アンタッチャブルなどが出演していました。
ビデオテープにちゃんと録画されるかが不安で、塾をさぼり、親にめちゃくちゃ怒られたのもいい思い出です。
進め電波少年も好きでした。
猿岩石のユーラシア大陸横断ヒッチハイクは毎週夢中で見ていました。西武球場での凱旋コンサートにも遊びに行ったりしました。
そして、なにより爆笑問題が好きで、深夜ラジオの爆笑問題カーボーイは、高校受験の勉強をきっかけに、今でも聞き続けています。
当時のバラエティ番組は、なんでもありで、活気があって、危なっかしくて、そして自由でした。今の石橋を叩きまくる番組づくりに比べると、なにが起こるかわからないドキドキ感は、比べものになりません。
番組の捏造をきっかけに、2007年以降、BPOのテレビへの監視機能が強化され、番組はどんどん大人しくなっていきました。世の中のテレビの内容に対する目も厳しくなりました。
放送倫理の名のもとに、ちょっとでも暴力的・いじめを助長するような表現は、すぐに審査の対象になります。昔を知っている人からみれば、面白くなくなった・楽しくなくなったという意見があるのも当然でしょう。
それでも、宗一郎はあの頃のテレビに戻ってほしいとは思いません。
振り返ると、当時の番組は自由である一方、“面白い”のために犠牲になって傷ついた出演者も多くいたんだと思います。そもそも傷つけているという意識もなければ、声を出すという雰囲気でもなかったでしょう。
そして自分自身もテレビのノリを正当化して、もしかしたら友だちやクラスメイトを無意識に傷つけていたのかもしれない。本当に、身勝手で幼稚でくだらなかったと思う。
子どもの行動を規定する上で、テレビの影響ってやっぱり大きい。大人のマネをしたくなるのが子どもです。
誰かの犠牲の上で成立する面白さなんていらない。
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先日NHKで、千原ジュニアとYOUがジェンダーを語る番組があるのを知り、時代が変わったことを改めて実感しました。
宗一郎が中学生のときには、お笑い芸人がジェンダーを語るなんてありえなかった。ジェンダーという言葉すらなく、むしろジェンダーを蔑ろにして笑いを取っていました。
BPOをきっかけに、テレビのネガティブな部分をどんどん取り除いていったのが、2010年代。
そして2020年代は、お笑い番組だって、単に笑えるということだけでなく、きっと社会にとってポジティブな内容(環境やSDGs、いじめ撲滅など)が、BPOから、そして社会から求められていくんだろう。
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幼少期から受けてきたさまざまな環境や刺激によって、形作られている価値観や性格は簡単には変えられないものだ。
だから、社会はすぐには変わらない。
それでも、世代が変われば、その世代が共有する当たり前も変わり、世の中も一気に変わる。これが、パラダイムシフト。
祖父母の世代では、暴力や差別が当たり前だった。
さらに上の世代では、戦争が当たり前だった。
そのさらに上では、身分制度が当たり前だった。
テレビだけをとっても、私の時代より格段にクリーンなコンテンツの中で生きている子どもたち。
生ぬるい環境の中で、社会の厳しさを乗り越えていけるのか?という意見もあるが、当たり前が変われば、生ぬるいなんて発想自体が消えていく。
こうやって、少しずつ社会は良くなっていくものだと思う。
メディアの努力も、そのひとつの成果だと評価したい。
そして、いじめだって、長時間労働だって、環境問題だって克服できるだろう。
未来に希望をもって。