カーリング観戦って面白くないですか?

今、カーリング北京五輪最終予選の真っ最中です。宗一郎は、このカーリングという競技の観戦が好きで、今回も熱心に応援しています。

 

その理由のひとつが親しみやすさ。

競技自体、(ほんとはめっちゃ難しいんだろうけど、)老若男女が楽しめるスポーツって印象です。実際、生涯スポーツとして親しまれているし、50歳を超えるご夫婦が日本代表決定戦に出場していたりもします。

 

また、日本代表チームをみていても、なんでか身近に感じるんですよね。そもそもチーム編成が、各チームからの選抜ではなく、地元チームをそのまま採用するので、もともとチームの雰囲気ができあがっている。

 

生い立ちなんかも、カーリングが盛んな北国の町に生まれて、お父さん・お母さんがやっているカーリングに興味をもち、幼い頃から競技を始めた。同じ町の友だちと一緒にチームを組んでめきめき力をつけ、気がつけば町ぐるみで応援してもらえるように。そして、今ではオリンピックでメダルを狙えるまでになった。そんなサクセスストーリーが生まれそうなチームなり選手が多いんですよね。

 

なので、宗一郎も一町民のひとりになったつもりで、自然と応援したくなってします。それに、カーリングという競技を通じて、地元の仲間と充実した生涯を送る。そんな人生も歩んでみたかったっていう、一種の憧れであったりもします。

 

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もう一つの魅力は、“考える面白さ”が伝わってくること。

カーリングはストーンを投げるごとに考える時間が設けられます。なので、その間に、解説者のコメントを踏まえながら、次の相手の考えや氷の状況を読んでいかに有利に試合を運ぶかという、選手の“思考の流れ”を共有したり、一緒に考えたりといったことが楽しめます。

 

スポーツってフィジカルだとかテクニックを重視しがちだし、もちろん大切なんだけど、それだけじゃなく“考える力も超重要”なんだってことを認識させてくれるのが、カーリングなんだと思います。

 

例えば、サッカーだって、攻撃側が巧みなパス回しで翻弄できれば、ディフェンダーが守備で動き回るうちに、物理的にどうしてもできてしまうスペースが生まれる。攻撃側は、そのスペースを突いてゴールを狙う。

 

そのスペースをつくるための“ボールのパス回し”と、カーリングで相手に点数を取らせない“ストーンの置き方”、そして将棋で王将を取りにいく“駒の置き方”って、同じ考え方がベースになっていると思うんです。

 

ただ、サッカーの場合、そういった緻密な状況判断を秒単位でこなしながら試合をしていて、かつスピーディーな試合展開が醍醐味だから、素人目には監督や選手の意図を汲み取る前に試合がどんどん展開してしまう。

 

一方で、カーリングは選手の意図を咀嚼する間合いを、適度なタイミングで与えてくれるので理解がしやすい。(しかも、選手はマイクをつけていて、試合中の選手の声も聞くことまでできちゃう。)

 

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一方、カーリングにおいてストーンを意図する位置に投げるためには、テクニックやチームワークが求められ、当然にしてミスが生じることもあります。難しいショットと自分の力量を天秤にかけた判断だったり、ミスしたときの臨機応変な対応といったことも、ゲームを構成する重要な要素です。

これは、将棋やチェスのような、意図したところに確実に駒を置ける競技とは対照的です。

 

そんな“思考のプロセス”と“運動能力に起因する不確実性”の両面をバランスよく楽しめるところが、宗一郎がカーリング観戦が好きな理由なのかなと思います。

 

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ほとんどのスポーツってフィジカルやテクニックの凄さに目を奪われがちだけど、試合中、選手がいかに考えているか(頭を使っているか)ってことが、もっと一般の視聴者に伝わる方法ってないだろうか。とも思います。

 

例えば、カーリングと同様にあらゆるスポーツで、監督や選手にマイクをつけてもらうってのも面白いと思います。それを副音声で流して、試合中のリアルな思考の中身をのぞけるっていうのは、ファンにとっても魅力的でしょう。

 

あと、サッカーの国際試合直後とかに監督に出演してもらって、試合を解説・検証してもらう番組とかもあれば面白そう。

「相手国は〇〇という弱点があるので、△△というフォーメーションを取りました」とか、「あの時あえて交代しなかったのは、実は□□って意図があったんです」とか、“そこまで深く考えてるんだ!”って発見できる話をじっくり聞いてみたい。

 

戦術がほかのチームにばれてしまうって?

終わった試合の意図が相手にばれても、そこまで致命傷になるとも思えないし、把握されていることを踏まえて新しい作戦をつくれば、戦術のレベルがより洗練されていく気もします。

 

また、これまでも解説者が試合の振り返りをしていますが、あくまでも予想の範疇であって、ほんとのところはやっぱり監督に聞いてみたい。(菅政権にも重なるけど、やっぱり考えをちゃんと説明する時間を取ってほしいんだよね。説明がないから、試合に負けるといろんな憶測ばかりが飛び交って、無用な批判や非難が生じてしまう。)

 

とにもかくにも北京五輪で活躍してくれることを願って、引き続きカーリング応援していきたいと思います。

がんばれニッポン!

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